売上高100億円へ…京セラ、新型タブレットの狙い目
法人向けに来春めど投入
京セラは法人向けのWi―Fi(ワイファイ)対応タブレット端末を2025年春をめどに発売する。NFCカードリーダー機能を端末に搭載したことで、飲食店などで注文から決済まで1台のタブレット端末で対応できるようにする。飲食業界の人手不足に対応し、業務の効率化に貢献するのが狙い。価格は非開示。日本国内の飲食業界を主な販売先として想定し、同業界向けに30年までに100億円の売り上げを目指す。
新製品は顧客の選択肢を増やすため、NFCカードリーダー機能を搭載した端末「KC―T305CN」と未搭載の端末「KC―T305C」の2機種をそろえた。京セラの従来品「KC―T304C」の後継機種。端末の画面の下にある板金を加工し、下部にアンテナを配置したことで、画面にカードをかざして決済をできるようにした。
また、端末裏面の塗装を無くして傷を目立ちにくくしたほか、最大充電容量を通常時の60%に制限する設定を選べるようにし、電池の膨張を抑える。さらに画面を囲む縁の形を工夫し、画面を割れにくくした。大きさは幅260ミリ×高さ169ミリ×厚さ9・9ミリメートルで、重さは約530グラムを想定する。
飲食業界のほか、マイナンバーカードの健康保険証としての利用を見込んで、医療関連機関などでの活用も想定する。
日本政府観光局(JNTO)が10月に発表した調査によると、9月の訪日外客数は前年同月比で31・5%増の約287万人となった。こうしたインバウンド(訪日外国人)の増加を背景に、多言語対応が可能なタブレット端末への需要も伸びている。
日刊工業新聞 2024年11月05日