「世界と伍する研究大学」へ…名古屋大が新設、総長戦略本部の役割
強化計画策定・資源配分
名古屋大学は総長戦略本部を新設し大学強化計画の実行体制を整える。総長戦略本部には計画の進捗(しんちょく)を管理するチーフプロジェクトマネジメントオフィサー(CPO)を置く。総長とプロボスト(筆頭理事)、事業財務担当理事(CFO)、CPOの4人で大学経営を担う。執行は副総長らが担う。研究や教育などを担当する副総長が総長戦略本部に報告し、資源配分を受ける。ガバナンス体制の強化で世界と伍(ご)する研究大学を目指す。
大学の強化計画の策定や資源配分を決める総長戦略本部を設置する。強化計画は学外者を含む東海国立大学機構の運営方針会議で決議されるが、計画そのものを策定するのは名大になる。
そこで総長戦略本部を置いて体制を強化する。CPOには民間で財務・事業計画担当役員相当の経験がある人材を招く。2024年度はCPOの半年分の人件費として600万円を確保した。
同本部にはプロボスト室を設置し、教員人事や評価、部局の評価や再編などを戦略的に行う。経営・財務情報(IR)システムの構築などを含めて24年度は9050万円を措置した。
そして名古屋大学基金への寄付を募るファンドレイザーを雇用し、名大の運営基金累計額を23年度の82億円から27年度に111億円に拡大する。
東海機構には知的アセット価値化本部を新設し、CFOを任命する。東海機構のCFOは寄付依頼のトップセールスをかけ、名大と岐阜大学のファンドレイザーを支援する。
資金運用では名大と岐阜大の資金を一体化し、規模の経済性を生かす。運用方針を見直して国内債券などの伝統4資産の比率を下げる。オルタナティブ資産の比率を5割以上として3年平均利回りを現在の3・7%から6%に引き上げることを目指す。
日刊工業新聞 2024年11月05日