悪質荷主を指導する。「トラックGメン」倍増で強化
国交省が拡大
国土交通省はトラック事業者に無理な要求を行う悪質な荷主や元請け業者への是正指導を強化するため、専門部隊であるトラックGメンの規模や活動範囲を大幅に拡大した。162人だったGメン調査員を357人に倍増、さらに「トラック・物流Gメン」に改称し、新たに倉庫業者からも情報収集を行う。「荷主の行動改善や物流全体の取引適正化を一層推進し、持続可能な物流確保に取り組む」(斉藤鉄夫国土交通相)とする。
新たなトラック・物流Gメンには、地方運輸局の物流担当職員29人が倉庫担当Gメンとして、さらに各都道府県のトラック協会が新設したGメン調査員166人が加わる。倉庫業者からも悪質な荷主や元請け事業者の情報を直接収集することで、荷待ち時間の削減などにつなげる。倉庫業の業界団体には情報収集窓口を設置する。
国交省はトラックGメンを2023年7月に創設し、これまで悪質荷主などに1000件以上の是正指導を実施してきた。コロナ禍を経て宅配便の急増や、運転手の年間時間外労働を960時間とする物流2024年問題などで物流現場の状況はさらに厳しくなっており、対策を強化する。23年に続いて11、12月は集中監視月間として、トラック事業者、倉庫業者にプッシュ型の情報収集活動を実施する。
日刊工業新聞 2024年11月04日