手作業ではきつい負荷軽減…新星が開発、「電動アシスト式水掃き器具」の性能
川越市に試作機提供
新星(埼玉県三芳町、星佳代子社長)は、初の独自製品として、スケートボード場などの水掃き作業が楽になる電動アシスト機能付きスクレーパー「楽らく水掃き君」の試作機を開発した。埼玉県川越市にこのほど贈呈した。手作業ではきつい水掃きの負荷が減り、腕力に自信がない高齢者でも簡単に作業できるようになる。軽量化などの改良を加えた上で、地方自治体で2026年度予算の編成作業が本格化する25年秋の市販を目指す。
楽らく水掃き君の試作機はバッテリーを除いた重量が20キログラムと軽く、速度を最速で毎秒1・6メートルに抑えるなど安全性にも配慮した。太陽光で充電でき、2時間の充電で5時間使える。
2輪車や4輪車のエンジン回りなどに使う部品を試作開発する主力事業で培った技術を生かした。
試作機はスケボーやバイシクルモトクロス(BMX)を楽しむ施設として川越市が運営する「大東BMX・スケートボードエリア」で実際に使われているという。
スケボー施設の多くは屋外にあり、雨水をスクレーパーで掃く必要があるが、電動アシスト式はあまり例がない。試作機は水を掃くへら状の器具をテニスコートなどで使うブラシにも交換できるが、開発中の2号機ではこの機能を省いてさらに軽くする。2号機も自治体などに試してもらい、26年度の本格採用を目指す。
新星は収益の新しい柱として建材や航空宇宙機器の部品などに事業を広げてきた。さらに強固な収益基盤を目指し、独自製品を展開するメーカーとして自立を急ぐ。
日刊工業新聞 2024年11月01日