当期益29.8%減…京セラ、通期下方修正の理由
京セラは30日、2025年3月期連結業績予想(国際会計基準)の売上高と全利益段階を下方修正した。23年度に落ち込んだ有機パッケージの需要回復が当初見込みより遅れることに加え、人工知能(AI)向けシフトが進んで需要が減少し、低調に推移している。米子会社で生産するコンデンサーが欧州自動車市場の低迷を受け、工場稼働率が低下したことも響く。
当期利益は前期比29・8%減の710億円と、4月公表時の同10・8%増の1120億円予想から一転、減益予想に修正した。
米子会社の京セラAVXコンポーネンツ(KAVX)は売上高の約50%が欧州自動車向け。同社が得意な品目は市場が縮小していることに加え、好調な品目は需要拡大に対応した能力増強が遅れた。谷本秀夫社長は「需要の落ち込みや、当社側の問題で苦労した」と述べた。
24年4―9月期連結決算は増収営業減益だった。
【関連記事】 好調電子部品の受注は失速するのか?
日刊工業新聞 2024年10月31日