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仏具メーカー発、形を自由に変えられるスズの皿

シマタニ昇龍工房“四代目昇龍”、スズ製品のブランド立ち上げ
仏具メーカー発、形を自由に変えられるスズの皿

スズ製品のブランド「すずがみ」では職人が手作りした器で伝統工芸を紹介

 シマタニ昇龍工房(富山県高岡市、島谷粂一社長、0766・22・4727)は、1909年の創業以来、寺院用のりんを専門に製造する。金鎚(づち)でたたいて板を絞り、丸みを整え、音を調律する職人技だ。金鎚でたたく技術で完成した新たなスズ製品のブランド「すずがみ」では、職人が手作りした食器などを通じて、現代のライフスタイルとマッチする伝統工芸のあり方を提案している。「すずがみ」の開発経緯や今後の展開などについて、“四代目昇龍”島谷好徳氏に聞いた。

 ―開発の経緯は。
 「銅器や真ちゅう製品など伝統工芸の需要が落ちてきた。高岡伝統産業青年会を立ち上げ、メンバーそれぞれが工夫しライフスタイルに合った製品をギフトショーなどで発表している。能作(高岡市)のスズ100%の製品が話題になったこともあり、鍛金の技術を生かしたスズの加工を試行錯誤し、『すずがみ』が完成した」

 ―純度100%のスズは柔らかいです。
 「そのままたたくとひびが入り割れる。厚さ7ミリ―8ミリメートルで文庫本サイズのインゴットにし、何度も専用の圧延ローラーで締めながら伸ばす。繰り返すことで強度が出てくる。0・8ミリメートルになったら四角に裁断し、手作業で約0・7ミリメートルまでたたいて仕上げる。金鎚の鎚目で模様をつける」

 ―今後の展開は。
 「手にすれば金属なのに柔らかくて驚かれる。滅菌性があり、90%が食器として使われる。折り紙のように自由に曲げることができ、アイデア次第で用途が広がる。職人技の手仕事の良さを身近に感じてほしい。海外への展開も検討している」
(文=富山支局長・渡辺大介)
日刊工業新聞2016年4月15日 モノづくり面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
「すずがみ」を実際に触ったことがありますが、くにゃくにゃ曲がるのでかなり新鮮です。デザインもシックながら和を感じるので、海外でのうけがよさそうです。

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