三菱自動車の4-9月期、営業利益12.9%の背景
三菱自動車が発表した2024年4―9月期連結決算は、営業利益が前年同期比12・9%減の907億円だった。販売台数は増加したものの、競争激化が続く北米市場などで販促費を積み増したことなどが響いた。25年3月期連結業績予想は24年5月の期初公表値を据え置いた。加藤隆雄社長は「ベトナムやフィリピンといった成長市場のけん引や、日本国内市場における当社の存在感の回復がある一方、為替変動といった不確定要素が混在する」と説明した。
25年3月期の世界販売台数見通しも同様に期初予想の89万5000台を据え置いた。24年4―9月期の市場別の販売台数は、23年度に構造改革を実施した中国以外のほとんどの市場で前年同期を上回った。東南アジア諸国連合(ASEAN)が前年同期比3%増の12万4000台、北米は同12%増の9万1000台だった。
利益の下振れ要因となっている販促費について、加藤社長は「北米全体の在庫が膨らみ、各社でインセンティブ合戦になりつつある。当社は利益を見ながら悪い在庫がたまらないよう先手を打つ」と述べた。
ホンダ、日産自動車との協業に関しては「確実に一定の進捗(しんちょく)はしている」との言及にとどめた。
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日刊工業新聞 2024年10月31日