紙おむつの原料増強に70億円投じる三井化学の狙いは?

名古屋に新設備。インバウンド需要の取り込みとリスク分散か

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三井化学の高機能不織布アジア展開
 三井化学は13日、名古屋工場(名古屋市南区)に紙おむつ原料である高機能不織布の製造設備を新設すると発表した。投資額は60億―70億円と見られる。全体の生産能力を現状比16%増の年間10万9000トンに拡大する。アジア市場では高品質な紙おむつ需要が急増しており、能力増強で重点分野であるヘルスケア部門の事業拡大を図る。

 同社は電子材料の主力拠点である名古屋工場に、高機能不織布を同1万5000トン生産できる製造設備を導入する。月内に着工して、2017年11月の完工を予定。18年3月から営業運転を始める計画だ。

 現在の不織布の生産体制は三重県四日市市の子会社、サンレックス工業が同4万9000トン、タイで同3万トン、中国で同1万5000トンとなっている。

日刊工業新聞2016年4月14日 素材・ヘルスケア・環境面

COMMENT

峯岸研一
フリーランス

国内二カ所で生産することで、インバウンドで増大する国内需要への対応強化とリスク分散の狙いもあると見られる。紙おむつ向けPP・SBは、三井化学グループだけでなく東レグループ、旭化成グループでもASEANや中国を中心に需要増を見据えて増設中、増設計画が続いている。その中で三井化学グループは国内生産比率が高く、今回の増能力により一段と国内生産力が高まる。紙おむつメーカーは、中国などアジア各国の生活レベル向上による衛生材の需要増だけでなく国内需要への対応も重要になっている。三井化学グループは今回国内生産態勢の強化に先手を打った。しかし、国内生産で量的優位を確保しても競争の激化は止まらない。だからこそ、同社は強みとするポリプロピレンから原料一貫生産をベースに、通気性フィルムとのセット販売でPP・SBの事業拡大を進めることが重要になる。

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