DXで赤字キャンプ場再生なるか、NTT東日本が新会社
NTT東日本は24日、デジタル変革(DX)で公営キャンプ場の再生を図る新会社「NTTランドスケープ」(東京都新宿区)を11月1日付で設立すると発表した。社員は15人程度で、資本金は3億円。赤字経営が続く公営キャンプ場などの運営権を取得し、DXによる運営効率化などで早期黒字化を目指す。この事業に用いるDXサービスは民営を含めた全国5000カ所のキャンプ場に展開する計画。2029年度に15程度のキャンプ場を運営し、売上高30億円を見込む。
スマートフォンアプリケーションで予約や宿泊手続きができる「スマートチェックインアプリ」を開発し、R.プロジェクト(千葉県鋸南町)が運営するキャンプ場予約サイト「なっぷ」を通じて普及拡大につなげる。
平日のキャンプ場を有効活用したアウトドア研修の提供にも乗り出す。NTTランドスケープが研修講師やキャンプ場の提供、JTBが企業や教育機関への販売、日本野外研修ワークショップ協会(JOWA)が研修コンテンツの提供や研修講師の育成を担う。
また、カンバーランド・ジャパン(長野市)と連携し、同社が扱う情報通信技術(ICT)対応トレーラーハウスを平時はキャンプ場宿泊施設、災害時は応急住居として使う事業も行う。NTTランドスケープの社長に就任予定の木下健二郎氏は「25年春をめどに山中湖と伊豆で事業を始める」と述べた。
NTT東は主力事業としてきた光回線の市場の成熟化や固定電話の契約減を踏まえ、農業やeスポーツなどでICTを用いた新規事業を積極展開している。これまで6社7事業を展開してきた。
日刊工業新聞 2024年10月25日