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木質バイオ灰を肥料に…東発・東北大が新技術開発へ、解決する課題

木質バイオ灰を肥料に…東発・東北大が新技術開発へ、解決する課題

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東北発電工業(東発、仙台市青葉区、山本俊二社長)は、東北大学と連携して、木質バイオマス発電所から排出される灰を使った肥料生産に向けた実用化技術の開発に乗り出す。木質バイオマス灰には、六価クロムなどの重金属が含まれる課題がある。2026年度末まで、簡易な測定技術や重金属類を低減化する技術などの開発に取り組む。

タッグを組むのは、東発のエンジニアリング部技術開発研究室、東北大大学院農学研究科、同環境科学研究科。7月に生物系特定産業技術研究支援センター(BRAIN)のオープンイノベーション事業に採択された。

具体的には、木質バイオマス灰に含まれる重金属のうち、対象を六価クロムに絞り、これを検出する持ち運び可能な装置を東発が開発する。東北大環境科学研究科は、重金属類の溶出低減技術、同農学研究科が肥料としての効果確認などをそれぞれ担う。今後は循環的な利用に向けて、発電事業者、肥料メーカー、農業関係者などとの連携も目指す。

現在バイオマス発電所から発生する木質バイオマス灰は、そのほとんどが産業廃棄物として処理されているという。今回の取り組みは、木質バイオマス灰に多く含まれるカリウム成分の有効活用を見込む。東発と東北大は21年度に「共創研究所」を発足。今回は、これまでの活動成果も取り入れていく。

日刊工業新聞 2024年10月14日

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