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宇宙市場はすでに60兆円規模、上下流の垂直統合進む

PwCコンサルまとめ
宇宙市場はすでに60兆円規模、上下流の垂直統合進む

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PwCコンサルティング(東京都千代田区、安井正樹最高経営責任者〈CEO〉)がまとめたリポート「宇宙分野の主要トレンドと課題・第4版」(日本語版)によると、2023年時点の宇宙経済の世界市場規模(推計)は、バリューチェーン全体で約4030億ドル(約60兆円)だった。近年、衛星・ロケット製造などの上流主導の技術推進から衛星通信・位置情報サービスなどの下流主導の技術開発に変化し、非宇宙企業による技術開発といった垂直統合が進んでいる。

宇宙分野はモノづくりからサービスまで多層的なバリューチェーンで構成され、社会・経済・科学など幅広い領域に影響を与えている。この成果やインパクトが期待される一方、宇宙環境の持続性への懸念やサプライチェーン(供給網)分断など、政策・規制・ガバナンスとの密接な関わりも示唆されている。

リポートでは、こうした複雑性に対応するには、物事を多面的・多層的に捉えるアーキテクチャーの視点が重要と指摘。宇宙・空間産業推進室の渡辺敏康執行役員パートナーは「社会、組織、ビジネスなどのシステムを俯瞰(ふかん)し、体系化することが求められる」としている。

日刊工業新聞 2024年10月14日

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