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トヨタがF1チームと車両開発で提携、豊田会長が強調したこと

トヨタがF1チームと車両開発で提携、豊田会長が強調したこと

(左から)マネーグラム・ハースF1チームの小松礼雄代表、トヨタ自動車の豊田章男会長、トヨタガズーレーシングカンパニーの高橋智也プレジデント

トヨタ自動車はモータースポーツの最上位カテゴリーであるF1に参戦しているマネーグラム・ハースF1チーム(米ノースカロライナ州)と車両開発などで業務提携した。今後、トヨタがハースの車体開発に参画するほか、トヨタのドライバーやエンジニアがテスト走行に参加する。F1に関わることで人材育成や車両開発の知見をこれまで以上に高める。

「1番速い車に乗りたいドライバーや、そんな車に関わりたいエンジニアはたくさんいる。そんな人たちに夢と希望を与えられる第一歩にしたい」―。静岡県小山町で会見したトヨタの豊田章男会長はこう強調した。

トヨタはスポーツ車を手がけるガズーレーシング(GR)カンパニーを中心にラリーや耐久レースに参戦。車両を壊しては直すを繰り返し、より良い車の開発につなげてきた。F1は「世界最高峰のモータースポーツとだれもが認めている」(豊田会長)ところであり、ハースの車体における空力開発やカーボン部品の設計・製造などをトヨタのモノづくり力で支援する。一方、トヨタはレース中に収集するデータを解析する知見などをハースから学ぶ。

トヨタは2009年にF1から撤退している。今回の業務提携は復帰や参戦ではなく、あくまでも人材育成が主眼だ。ただ、豊田会長は「日本の若者が1番速い車に乗る道筋を閉ざしてしまっていたことを悔やんでいた。子どもたちが夢を見られるようにしたい」と吐露した。


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