木材チップ専用運搬船を相互利用…大王製紙・北越コーポ、業務提携で目指す効果
大王製紙と北越コーポレーションは紙の原料として使う木材チップの専用運搬船を相互活用する取り組みを始めた。木材チップ調達の効率化やコスト削減などにつなげる。製品物流、原材料購買、生産技術の3分野を中心とした業務提携戦略の一環で実施する。
第1弾として、大王が運用している専用船に北越向けベトナム産木材チップ4万トンを現地の港で積み込み、新潟県の新潟東港に運搬した。木材チップは北越の主力拠点である新潟工場(新潟市東区)にトラックで運ばれた。
今後、北越が運用する木材チップ専用運搬船を大王が利用することも含め、協力体制を深化。紙の製造に欠かせない木材チップの安定調達や在庫適正化、コスト低減などの具体化を進めていく。
両社は5月に提携し、これまでに紙製品の運搬など物流分野での相互協力を始めた。今回の木材チップ船の相互活用により、購買面での協業が進んだ格好だ。
一連の業務提携の効果として、2026年度までに営業利益において大王が20億円、北越が30億円の上積みを目指している。
日刊工業新聞 2024年10月14日