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小型リチウムイオン電池、OKIエンジが経年劣化の評価サービス…相次ぐ発火事故防ぐ

小型リチウムイオン電池、OKIエンジが経年劣化の評価サービス…相次ぐ発火事故防ぐ

リチウムイオン電池の耐久性を評価した試験品

OKIエンジニアリング(東京都練馬区、中井敏久社長)は、スマートウオッチやモバイルバッテリーなどに使われる小型リチウムイオン電池(LiB)の経年劣化安全性評価サービスを17日に始める。近年、小型LiB搭載製品が増え、LiBを起点とした発火事故が相次ぐ。同社は良品解析など従来サービスに、経年劣化状態のLiB評価を追加しニーズに対応する。2024年度に良品解析などを含めて売上高1億円を目指す。

新サービスは新品のLiBと、充放電を繰り返して性能が低下した劣化状態のLiBを作製し比較検証を行う。新品と経年劣化品で安全性にどのような変化が起きるか、外観や電気特性、X線コンピューター断層撮影装置(CT)、分解などの検査で評価する。

1―2年使用した状態に模擬した円筒型LiBを利用し、新品と比較評価を行ったところ、経年劣化品で容量値低下や内部電極の変形、負極活物質の剥離割合の増加などを確認した。

OKIエンジニアリングは焼損・発火した電池製品の発生原因調査サービスや、電池の内在する欠陥や不具合構造などを検出・評価するサービスを約400件実施した。その結果、経年劣化に加熱などの偶発要因が重なり、電池の焼損につながるケースが多いことが分かったという。こうした解析ノウハウや知見を活用し、小型LiBを製品に搭載するメーカーなどに新サービスを提供する。

日刊工業新聞 2024年10月14日

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