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PFAS不使用の半導体装置向け可動ケーブル…イグス、規制強化で代替需要狙う

PFAS不使用の半導体装置向け可動ケーブル…イグス、規制強化で代替需要狙う

ケーブル保護管「エナジーチェーン」内の半導体製造装置向け可動ケーブル(イメージ)

イグス(東京都墨田区、吉田剛社長)は、有機フッ素化合物(PFAS)不使用の半導体製造装置向け可動ケーブルを開発する。2026年をめどに規制が強化されるPFASの代替需要に対応する。15―20種類の製品ラインアップを整え、25年春に市場投入する予定。5年間で5億円の販売を目指す。中国や台湾などへの販売も視野に入れる。

開発する可動ケーブルでは、規制対象であるフッ素樹脂「テフロン」の代わりに架橋ポリエチレン絶縁(XLPE)を使用する。規制に該当しないポリ塩化ビニール(PVC)製と比べて、耐熱性・絶縁性・強度を約1・5倍に向上させ、価格をテフロンの2分の1―3分の1に抑えつつ、テフロンのスペックに限りなく近づけた。

イグスは、機械内で動くケーブルを保護するチェーン状の部品「エナジーチェーン」も手がけている。そのため「(ケーブルと)合わせたときの正確な寿命を提案できる」(チェーンフレックスケーブル担当の中山達也プロダクト部長)点も強みという。

ケーブル保護管と可動ケーブル両方を扱う企業はなく、組み合わせた時の動作の様子や各部品の寿命は明確に提示できない。同社はドイツにテスト施設を構えており、テスト結果に基づいたケーブルや保護管の耐久回数・期間を提示できる。

同社によると日本の半導体製造装置メーカーの半数程度がエナジーチェーンを使用しているという。まずは同製品を使用する企業からの置き換え需要を狙う。

PFASは人や環境への有害性が指摘されており、欧米が規制を強化したほか、企業でもPFASの使用を排除する動きが広がっている。

日刊工業新聞 2024年10月09日

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