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アルミ箔不使用で遮光性10倍以上…大日印、加工食品パッケージ開発

アルミ箔不使用で遮光性10倍以上…大日印、加工食品パッケージ開発

「DNP高遮光パッケージ」の利用イメージ

大日本印刷(DNP)はアルミニウム箔を使用せずにフィルムを透過する光の割合である「全光線透過率」が1%未満になる「DNP高遮光パッケージ」を開発し、提供を始めた。材料の選定や加工条件を工夫し、アルミ蒸着フィルムと同等の高い遮光性を実現した。レトルト食品や冷凍食品、電子レンジ対応食品など光で劣化しやすい加工食品のパッケージ向けに提案する。

新製品は遮光印刷を施した同社の既存のフィルムパッケージに比べて遮光性を10倍以上高めた。従来の包材の遮光印刷は色の沈み込みを起こしやすく、絵柄の鮮明さを損なうことがあったが、新製品は高い遮光性を保ちつつ、従来の遮光印刷のパッケージよりも鮮明な絵柄を表現できる。アルミ箔を使用した従来の包材に比べて製品のライフサイクル全体で二酸化炭素(CO2)排出量も約25%削減可能。

アルミ箔は遮光性や防湿性に優れる一方で、近年は値上がりや工業材用途の需要拡大によりアルミ素材の安定供給に課題があった。製造時のCO2排出量も多いため、環境負荷低減の観点からもアルミ箔を使わないパッケージのニーズが高まっている。

日刊工業新聞 2024年10月08日

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