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バイオ燃料の観光バス、都内で運行開始…運用コストは12%上昇

ユーグレナ・日の丸自動車、脱炭素化へ
バイオ燃料の観光バス、都内で運行開始…運用コストは12%上昇

バイオ燃料の利用を発表する日の丸自動車興業の富田哲史社長(左)とユーグレナの新田直執行役員

ユーグレナと日の丸自動車興業(東京都文京区、富田哲史社長)は7日、バイオ燃料を使った観光バスの運行を始めたと発表した。ユーグレナが燃料を調達し、日の丸自動車が都内で運行する2階建て観光バスで利用する。バイオ燃料の価格上昇分を東京都からの助成によって埋め合わせるが、助成期間が終わる2026年3月までにコスト吸収策を検証する。

軽油に対し、廃食油由来の水素化植物油(HVO)を20%混合したバイオ燃料を使う。通常の軽油に比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を20%削減できる。対象の2階建て観光バスは屋根がないタイプで、1日に8、9台が皇居や東京タワー、銀座などを運行している。他にも、1日6台が運行する巡回バスにもバイオ燃料を使う。

運用コストは12%の上昇を見込む。日の丸自動車は運賃や広告料金の見直しのほか、脱炭素への取り組みに共感した新規協賛企業の獲得によって上昇分の吸収を試みる。

日の丸自動車の富田社長は「観光バスの脱炭素化は遅れている。社会共生型インフラを目指したい」と語り、ユーグレナの新田直執行役員も「バイオ燃料を早く社会実装しないといけない」と実証への期待を述べた。

日刊工業新聞 2024年10月08日

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