ドローンなど動力源に…カーツが開発、汎用水素エンジンの実力
カーツ(岡山市東区、勝矢雅一社長)は30日、水素を燃料とする汎用エンジンを開発したと発表した。飛行ロボット(ドローン)や非常用発電機の動力源としての用途を想定。具体的な顧客が付き次第、周辺機器類の量産化開発を進めて実用化につなげる。
開発したエンジンは排気量25・4ミリリットルの空冷単気筒4ストロークエンジンで、最大出力は0・82キロワット(1・1馬力、毎分9500回転時)。円筒状のバルブが回転して吸排気を行うロータリーバルブを採用した。2022年に自社開発したロータリーバルブエンジン「CK1」をベースに水素に対応させた。
水素はガソリンに比べエネルギー密度が低いため、自社開発した過給器を併用。出力軸と連動して動く、潤滑油供給向けのオイルポンプも内製化した。
量産化に当たっては過給器などの周辺機器を含めて全体が縦700ミリ×横500ミリ×高さ300ミリメートルに収まるように設計。機械的に連動させている一部の機器を含め、周辺機器全体を電子制御できるようにする。
主力とする草刈り機や刈り払い機などの脱炭素には、水素タンクの小型化が難しいことから、別途研究開発を進める。
日刊工業新聞 2024年10月01日