「太陽光パネル」大量廃棄時代へ…福島県、リサイクル一貫体制構築へ
福島県は2024年度中に太陽光パネルのリユース、リサイクルのモデル事業をまとめる。県内の廃棄物処理事業者4社が中間処理、再資源化を請け負う。太陽光パネルは今後、大量の廃棄物発生が見込まれており、リユース・リサイクルにおける効率的な収集、処理、再資源化の一貫体制構築を目指す。ガラスをガラスへリサイクルする技術開発がポイントになる。
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太陽光発電(PV)パネルの廃棄・処理は4、5年後から本格化する。福島県は中間処理・再資源化事業を高良(福島県南相馬市)、相双スマートエコカンパニー(同大熊町)、白川商店(同郡山市)、飯岡工業(同田村市)へ委託。県全体でPVパネルのリサイクル推進モデル構築に取り組んでいる。
4社はエネルギーエージェンシー福島(同郡山市)が設立した福島PVパネルリサイクルワーキンググループ(WG)のメンバーで、PVパネルのリサイクル工場を保有する。24年度に太陽光パネルを廃棄物として排出する事業者に補助を提供してパネルを収集。これを選別、リユース、リサイクルする。
4社のうち高良は最新鋭の処理機を導入した自社リサイクル工場で、ガラス、モジュール、バックシートを再生してきた。発電効果が80%以上あるパネルはリユースし、ガラスは品質調査の段階。24年度のパネルの処理は2000枚程度。同社では「数年先の大量に廃棄される時期に向け、ふさわしい施設に仕上げていく」という。
アルミニウム、銅、銀などの回収は有償販売でコストに合ったリサイクルが可能。一方、最大のポイントは最も多く発生するガラスのリサイクル。ガラスへの100%リサイクルを目指し、ガラスメーカー、研究機関と一体で解決策を探る。福島PVパネルリサイクルWGのメンバーにもガラス、製錬メーカーを加えて適切なリサイクルの検証に入る。
福島県はモデル事業を通じ、県内の処理事業者を結集。収集の効率化、適切な中間処理、処理物再資源化の一貫リサイクル体制を構築する。
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