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スズキ「スペーシアギア」…6年ぶり全面刷新、開発者が語る手応え

スズキ「スペーシアギア」…6年ぶり全面刷新、開発者が語る手応え

スペーシアギア

【商品企画本部四輪軽・A商品統括部 第6カーラインチーフエンジニア 鈴木猛介氏】

スペーシアギアは「アウトドアライフに欠かせない アクティブ軽ハイトワゴン」が商品コンセプトだ。スポーツ多目的車(SUV)スタイルが特徴で、2代目となる今回はSUVテイストをしっかりと打ち出した。ただレジャーやスポーツなど趣味一辺倒ではなく、買い物やちょっとした外出、家族の送り迎えなど普段使いにも合う車を目指した。

外観デザインはカジュアルにアウトドアライフを楽しめる一方で、SUVほどの「ごつごつ感」やハードさはない。武骨だけど、かわいい。日常になじむよう、カジュアルで親しみやすくした。

普段使いとアウトドアに対応するため、スペーシアギア専用装備として、汚れを拭き取りやすい「ファブリックシート表皮」や「防汚タイプラゲッジフロア」を採用したほか、「ルーフレール」を取り付けた。

安全技術は「スペーシア」「スペーシアカスタム」と同様に最新の技術を標準装備した。当社が常に高い目標を持っている燃費水準に仕上げた。

軽自動車市場でもスペーシアなど全高が高いハイトワゴンはボリュームの大きいカテゴリーで競合も多い。各社が切磋琢磨(せっさたくま)をしながら良い商品が生まれている。当社は2023年11月にスペーシア、スペーシアカスタムを全面刷新して発売した。デザインや快適で居心地の良い室内空間、安全装備など本来の魅力を進化させ、順調に販売を伸ばしている。

初代スペーシアギアは18年12月に発売した。SUVテイストのデザインを持った軽ハイトワゴンという新たな市場を開拓した。23年10月まで平均月間販売台数が2000台の目標を上回るなど好調だった。当初から23年11月のスペーシア、スペーシアカスタムの全面刷新に合わせて、スペーシアギアも全面刷新を計画していたので腰を据えて設計することができた。

SUVテイストの軽ハイトワゴンの販売比率は18年以降徐々に増えており、当社調べでは23年度に13%と最高となった。道具や設備が進化してアウトドアと日常の垣根が低くなっている。そのまま遊びに行って体験する「コト消費」の需要も高まっている。車での外出とアウトドアは親和性も高い。

軽ハイトワゴンでSUVテイストはまだまだ伸びるだろう。新型スペーシア、新型スペーシアカスタムを発売した時にスペーシアギアの発売を求める声も大きかった。かなり手応えはある。このカテゴリーを重視していく。

【記者の目/「らしさ」追求し好機つかむ】
 約6年ぶりの全面刷新で快適装備や安全技術など基本性能は新型スペーシアシリーズとともに底上げされた。初代投入時と異なるのは競合が車種をそろえてきたこと。それでも軽ハイトワゴンのSUVという市場を開拓したという自負がある。各社の投入は市場が盛り上がるチャンス。「らしさ」を追求し好機をつかむ。(編集委員・村上毅)

日刊工業新聞 2024年09月30日

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