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ショベル生産拠点、部品搬送の自動化加速…コベルコ建機が次世代AGV導入

ショベル生産拠点、部品搬送の自動化加速…コベルコ建機が次世代AGV導入

大垣工場の組み立てライン

工場の導線最適化

コベルコ建機は大垣工場(岐阜県大垣市)で、部品搬送の自動化を加速する。次世代型の無人搬送車(AGV)1台をこのほど試験導入。同工場の4ラインで稼働中のAGVと異なり、磁気テープや天井マーキングを使わずに自律走行でき、経路変更も自前で対応可能。工場内の外周やさまざまなエリアで実験的に走らせて、どういった活用の仕方が最も効率が良いかを検証する。12月をめどに本格運用を目指す。

大垣工場はコベルコ建機にとって、五日市工場(広島市佐伯区)とともに国内のショベル生産拠点。2023年6月に新たな組み立て棟を設け、年産能力を従来比35%増の1万1500台に高めた。5トン以下のミニショベルと7トンクラスの油圧ショベルを生産し、全世界へ供給している。

このほど導入したのは3次元(3D)高性能センサー「LiDAR」を搭載した最新機種。

同AGVの導入検証は、工場の現在の稼働率を踏まえた取り組み。世界建機需要の鈍化で稼働率が落ちており、機械レイアウトの変更や、AGVが通りやすいよう通路幅を広げるなどの作業を実施しやすくなっている。AGVの活用法を決めるのと合わせて、工場内の部品搬送の導線を最適化する。

山本明社長は「こういった検証作業は景気が良くてフル生産の時だとできないが、今は稼働率が落ちているため念入りに進められる」と捉える。

25年度は建機需要が底打ちし回復に向かうと予想しており、その時にAGVや新型導線の活用効果が生きるとみる。現状は離れた部品倉庫からフォークリフトやけん引車を利用した人の対応で行っているが、AGVでの対応で工数を削減する。


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日刊工業新聞 2024年09月27日

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