スバルが全社規模のDXに弾みつける。事務系数千人に研修
SUBARU(スバル)は事務系従業員を対象にしたデジタル変革(DX)研修を10月以降に始める。数千人規模での取り組みは初めてという。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の進展など自動車業界が変革期にあることを踏まえ、DXで業務の効率化を推進。余力を生み出して発想の転換や新規案件への取り組みなどに充て、顧客価値の向上につなげる。
スバルの従業員は約1万7000人。このうち工場など製造に携わる直接部門が約9000人、技術開発や生産技術、調達・購買といった間接部門が8000―9000人いる。今回のDX研修の対象は間接部門で、詳細な実施スケジュールなどは調整中。eラーニングを活用して研修メニューなどを選べるようにする考えだ。
スバルは人材を企業競争力の源泉と位置付けて育成に力を注いでおり、「個の成長」に焦点を当てた活動を推進。変革をリードする人材を育む組織風土の醸成を図っている。IT化については従来も取り組んでおり、2022年からは技術部門向けにソフトウエア研修を実施。特に新入社員向けでは全員参加で約4カ月間の研修を行っている。
業務の改善では23年から「スマートワークDXプロジェクト」を実施。本社で1人当たり30分の業務時間を短縮する目標に対し、平均で39分短縮するなど、目標を達成して効率化につなげている。10月以降の研修により全社規模でのDXに弾みをつける。
日刊工業新聞 2024年09月26日