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衝撃強度22倍に向上…名大とアイシン化工、エポキシ樹脂で成功した意義

衝撃強度22倍に向上…名大とアイシン化工、エポキシ樹脂で成功した意義

構造用接着剤が使用される個所

名古屋大学の野呂篤史講師はアイシン化工(愛知県豊田市、杉浦剛寅社長)と共同で、エポキシ樹脂の衝撃強度を22倍向上させることに成功した。硬いエポキシ樹脂に軟らかいゴム成分を均一に混ぜ込む。剥離強度は2倍と大幅に強化された。自動車の構造用接着剤に利用し車両軽量化や燃費改善につなげる。

プラスチック成分のポリスチレンとゴム成分のポリイソプレンをつないだポリスチレン―ポリイソプレン―ポリスチレン(SIS)ブロックポリマーをエポキシ樹脂に加えた。エポキシ樹脂はゴム成分と混ざりにくい問題があったが、ポリスチレン部分がつなぎ役となり均一に分散する。

SISブロックポリマーを添加するとエポキシ樹脂系接着剤に比べて衝撃強度が11倍に向上した。さらにSISブロックポリマーに水素結合を促す工夫をすると同22倍に向上した。ゴム成分により柔軟性が向上して衝撃に強くなった。

自動車構造材の異種材接合に提案する。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の若手発掘事業で実施した。

日刊工業新聞 2024年9月25日

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