ドローンは人に着目するIoTビジネスの最前線

モノをつなげるという発想からの転換を

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宅配サービスの実現に向けた実証実験で、商業施設の屋上から公園に飛行するドローン
**デンソー、ドローン参入。道路インフラの安全に貢献
 「道路インフラの安全に貢献したい」。デンソーが産業用無人航空機(ドローン)市場に参入する。当初は道路橋などの点検用として投入し専門業者と連携して点検サービス事業に乗り出す方針。ベンチャー企業が多いドローン市場。自動車部品大手のデンソーが「産業用ドローンとして世界最高の性能」(加藤直也Robotics開発室長)を、ひっさげて参入する。

 制御部をデンソーが開発し、機体はラジコンヘリコプターなどの開発・製造のヒロボー(広島県府中市)が担当した。最大の特徴は可変ピッチ機構と呼ばれる、羽根の角度を変えられる仕組みだ。産業用ドローンに導入するのは世界で初めてという。これにより上昇力だけでなく下降力も出せるようになり構造物に最短60センチメートルまで近接できるなど高性能を実現した。

 2016年後半から点検サービスの試行を始める。将来は農業のほか、災害時に医薬品を緊急搬送する用途などへの応用も検討する。

千葉市がドローン宅配飛行デモ、ビジネス化へ


 千葉市は11日、飛行ロボット(ドローン)の飛行デモンストレーションを千葉市美浜区の幕張新都心で初めて行った。牧島かれん内閣府大臣政務官らが見守る中、ドローンは安定飛行し、ビル屋上からの物資輸送に成功。2019年を目標とするドローン宅配のビジネス化に向けて一歩を踏み出した。千葉市は15年12月に国家戦略特区指定を受け、ドローン宅配などの近未来技術活用のため、必要な法整備の検討などを進めている。

 飛行デモは自律制御システム研究所(千葉市稲毛区、野波健蔵社長、043・287・5702)が主導し、2回行った。まずイオンモール幕張新都心の建物屋上から約150メートル離れた豊砂公園までワインボトルを運んだ。2回目は住民の暮らす幕張ベイタウンの10階建てマンションで実施。近隣の空き地から高さ約35メートルの屋上へ薬を輸送した。

 機体は風速毎秒約5メートルの中、完全自動運転で安定した飛行をみせた。熊谷俊人千葉市長は「都市部でのドローン活用は世界から注目されている。実用化に向け、安全を確保しながら着実に実証を進めたい」と話した。

 併せて行った「千葉市ドローン宅配等分科会」の初会合には、内閣府、千葉市と楽天、佐川急便、ウェザーニューズなど民間企業10社が参加。参加企業は今後さらに増える見込みだ。

 また、同分科会の下に「技術検討会」を設置し、今後毎月一回程度、実証実験を実施する。技術検討会はドローンの運行を管理する管制システム構築も目指す。携帯電話基地局を活用した安価なシステムを検討しており、通信会社と開発を進める計画だ。

日刊工業新聞2016年4月12日

COMMENT

八子知礼
INDUSTRIAL-X
代表

IoTビジネスはものをつなげるという発想で考えがちだが、課題を解決するという意味ではむしろ人に着目する方が解決策としてのIoTに結びつくことが多い。建築やインフラ領域でのドローン活用もまさにそれ。労働人口が減り、熟練者が減る中で、2018年から定期検査が義務付けられるのはまさにIoT化のチャンス。ドローンももちろんIoTビジネスのフロントエンド。人がいけないところに飛んでもらうIoTデバイス。

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