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トヨタ・三菱電機など喜びの声…技能五輪国際大会、2028年は愛知に決定

トヨタ・三菱電機など喜びの声…技能五輪国際大会、2028年は愛知に決定

愛知県招致に向けて行われたプレゼンテーション

2028年に開かれる第49回技能五輪国際大会の開催地が愛知県に決定した。日本で実施されるのは07年の静岡大会以来で、21年ぶり4回目となる。愛知県とカナダ・トロントが立候補を表明していたが、フランス時間の8日にカナダの撤退が判明した。現在仏リヨンで開催中の第47回大会には愛知県も立候補したが、リヨンに敗れて落選した経緯がある。2度目の挑戦が実を結んだ。

フランス時間9日に技能五輪国際大会を運営するワールドスキルズインターナショナル(WSI)の総会が開かれ、開催地の投票が実施された。WSIの加盟国・地域による投票の結果、全投票数となる56票を獲得し、全会一致で信任された。直前まで立候補していたカナダを含め、56カ国全てが賛成票を投じた。

愛知県はトヨタ自動車デンソーをはじめ製造業が集積しており、日本のモノづくり産業の中心地と言える。4年後の開催に向けて、愛知県は厚生労働省や関係機関、企業とともに大会成功に向けて万全の体制を整える方針。若手技術者や国内におけるモノづくり産業の育成強化にも期待がかかる。また社会的な技能尊重の機運醸成や、若者に対する投資が促進されるきっかけにもなりそうだ。

技能五輪国際大会の日本開催は、1970年の東京、85年の大阪、2007年の静岡に続き21年ぶり4回目となる。WSIは同大会を運営する非政府組織で、欧州やアジアをはじめ約89カ国・地域が加盟する。

喜びの声/厚労相、最高の体験へ準備 トヨタ、モノづくり発展に

武見敬三厚生労働相は10日の閣議後会見で、2028年技能五輪国際大会の開催地が愛知県に決まったことを受け「選手や応援の方々に最高の体験を提供できるよう関係機関と連携し、しっかり準備を進めていきたい」と語った。21年ぶりとなる自国開催については「特に若い世代をはじめ幅広く国民に、技能の素晴らしさを伝える絶好の機会になる」との認識を示し、そうした機会を日本がホスト国として設定することは「極めて意義がある」と重ねて述べた。

産業界からも喜びや期待の声が相次いだ。名古屋商工会議所の嶋尾正会頭は「多くの産業が集積している当地で開催されることは、今後の技術者育成にもつながる」とコメント。「日本の技術力の高さを国内外に広く示す機会となるとともに、世界中の若者の記憶に残る素晴らしい大会となることを期待する」とした。トヨタ自動車は「モノづくりが大きく変化する中、多くの若い方が興味を持ち、さらには日本のモノづくりの発展につながる大会になればうれしく思う」との声明を出した。

三菱電機は「技能五輪の日本開催は、日本の技術力と職人精神を世界に伝える絶好の機会。若い技能者たちの成長を促し、日本の未来を切り開く原動力になることを期待している」とコメント。東芝も「日本の産業を支える技術や技能を世界に発信する機会になるとともに、将来を担う若者が世界の技能を体感することで、技能向上や技能尊重機運の醸成が図られることを期待している」とした。

1971年から技能五輪全国大会に参加しているセイコーエプソンは「モノづくり企業である当社にとって、若手への技術継承は重要。日本での国際大会開催により、技術向上の機会拡大につながれば」と期待を寄せた。

国際展示場、悲願かなう

2028年に開催される第49回技能五輪国際大会の開催地に愛知県が決まったことを受け、愛知県の大村秀章知事は「今回2回目の挑戦で、28年の愛知大会を勝ち取ることができて大変うれしく思う」と述べた。同大会を愛知で開催したいとの思いから、愛知県国際展示場(常滑市、アイチ・スカイエキスポ)を建設したと明かした。

開催地が愛知県に決まったことを受け、喜ぶ愛知県の大村知事(右)と厚労省の三浦政務官

現在、仏リヨンで開催中の第47回大会には、愛知県も立候補したが、落選した経緯がある。大村知事は4年後に向けて「技能アスリートが光輝き、世界の舞台で活躍できるようにしたい」と意気込みを語った。

愛知県はトヨタ自動車やデンソーをはじめ、製造業が集積し、日本のモノづくり産業の中心地ともいえる。「日本の産業や経済を支える若い技能者を盛り上げていこうという機運を高めたい」と決意を新たにした。またモノづくりを支える人材育成についても「企業や若者ととともに盛り上げたい」(大村知事)と述べた。

さらに4年後に開催される愛知大会に向けて、「最高の競技環境で最高レベルの大会になるようにしっかり準備したい。その上で日本の技能アスリートが大いに輝き、羽ばたくことを期待する」と語った。

一方、厚生労働省の三浦靖政務官は「世界各地から訪れる選手や応援団に最高の体験を提供できるように、国として責任を持って全力を尽くしたい」と意気込みを示した。また、「子どもたちが若手技術者の技能に触れる良い機会になるため、その点についてもしっかり支援していきたい」とも述べた。

日刊工業新聞 2024年09月11日

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