オーストリア航空が日本から撤退。ウィーンはどうやって行く?
オーストリア航空が日本市場から撤退を決めた。1989年開設のウィーン-成田線を9月で運休。オーストリアと日本を結ぶ唯一の直行便が、27年の歴史に幕を下ろす。一方、ウィーンは音楽の都として日本人にもなじみ深い。今後オーストリアへはどのように向かえば良いのだろうか。
現在の夏ダイヤでは、ウィーン-成田線は1日1往復運航。機材はボーイング777-200ER型機(308席:ビジネス48席、エコノミー260席)で、4月はウィーン発の月曜と木曜、成田発の火曜と金曜を運休し、週5往復に減便する。5月2日からは1日1往復(週7往復)に戻す。
ウィーン-成田線の最終便は、ウィーン発が現地時間9月3日の成田行きOS51便で、成田発は翌4日のOS52便となる。このところ為替は円高に振れているが、オーストリア航空では円安による不採算をはじめとする収益性、日本市場の将来性やマーケットの状況を鑑みて決定したという。
一方、オーストリア航空は4月6日にウィーン-上海線を開設。4月中は週5往復で、5月からはデイリー運航に増便する。また、成田便を運休する翌日の9月5日には、ウィーン-香港線を週5往復で開設する。大きな成長が見込めない日本市場から、需要拡大が期待される中国市場へシフトする。
日本旅行業協会(JATA)によると、2013年に日本からオーストリアを訪れた人は25万9184人。同年に欧州の主要国を日本から訪れた人は、ドイツが71万1529人、フランスが68万2384人、イタリアが45万4465人、スペインが37万4175人、スイスが28万6681人、英国が22万1000人、オランダが15万人だった。
オーストリア航空は、独ルフトハンザグループに属する。今年1月にはグループ内のルフトハンザ ドイツ航空とスイス インターナショナル エアラインズのフルサービス航空会社3社が経営統合され、路線計画や航空券の価格設定、マーケティング、新製品開発などが一本化された。
昨年10月に来日したルフトハンザのカール・ウルリッヒ・ガーナートCEO(最高経営責任者)は、「3社が同じ傘下に収まることで、迅速な意思決定が可能になる。機材面やそのほかの交渉で優位に進めることができる」と、経営統合のメリットを強調した。
オーストリア航空の長距離路線用機材は、777-200ERが5機のほか、767-300ERが6機。767-300ERの座席数は214席仕様(ビジネス36席、エコノミー178席)が4機、225席仕様(ビジネス26席、エコノミー199席)が2機となっている。
ルフトハンザグループは、2012年4月から日本と欧州での共同事業(JV)を開始。2013年4月からスイス インターナショナルエアラインズとともにオーストリア航空もJVに加わった。これに伴い、グループ3社の日本支社を終結し、ANAを加えた4社統一運賃など、日本市場での営業を強化した。
オーストリア航空の日本撤退が決まった今、日本からオーストリアへの直行便は9月に消滅する。ウィーン-成田線の運休後、どのようなルートがあるのだろうか。
同路線運休後は、羽田へシフトしたANAとルフトハンザのドイツ路線を利用するのが、日本からウィーンへ向かうルートの主力になる。首都圏では、ANAが羽田からフランクフルトへ1日2便、ミュンヘンへ1日1便、成田からデュッセルドルフへ1日1往復運航。ルフトハンザも、羽田と成田からフランクフルトへ1日1便ずつ、羽田からミュンヘンへ1日1便運航している。
これらの路線を利用した場合、羽田からミュンヘン経由は、羽田を午後0時30分に出発するNH217便でミュンヘンに午後5時20分着。ミュンヘンからは午後6時40分発のルフトハンザ・シティライン便でウィーンへ午後7時40分に到着する。総所要時間は14時間10分。
羽田からフランクフルトを経由するルートは、羽田を午前11時30分発のNH223便でフランクフルトへ午後4時40分着。ウィーンへは午後5時50分発のオーストリア航空で向かい、午後7時20分に到着する。総所要時間は14時間50分となる。
運休する成田-ウィーン直行便は12時間で到着するので、2時間から3時間程度余分にかかるようになる。ANA便からの乗継便はいずれも同じ航空連合「スターアライアンス」の加盟社であり、JVパートナーなので荷物の預け直しは生じず、時間をあけずに接続しているが、ドイツまで長距離便に乗った後、1時間程度の路線に乗ることになる。
日本撤退で中国シフト
現在の夏ダイヤでは、ウィーン-成田線は1日1往復運航。機材はボーイング777-200ER型機(308席:ビジネス48席、エコノミー260席)で、4月はウィーン発の月曜と木曜、成田発の火曜と金曜を運休し、週5往復に減便する。5月2日からは1日1往復(週7往復)に戻す。
ウィーン-成田線の最終便は、ウィーン発が現地時間9月3日の成田行きOS51便で、成田発は翌4日のOS52便となる。このところ為替は円高に振れているが、オーストリア航空では円安による不採算をはじめとする収益性、日本市場の将来性やマーケットの状況を鑑みて決定したという。
一方、オーストリア航空は4月6日にウィーン-上海線を開設。4月中は週5往復で、5月からはデイリー運航に増便する。また、成田便を運休する翌日の9月5日には、ウィーン-香港線を週5往復で開設する。大きな成長が見込めない日本市場から、需要拡大が期待される中国市場へシフトする。
日本旅行業協会(JATA)によると、2013年に日本からオーストリアを訪れた人は25万9184人。同年に欧州の主要国を日本から訪れた人は、ドイツが71万1529人、フランスが68万2384人、イタリアが45万4465人、スペインが37万4175人、スイスが28万6681人、英国が22万1000人、オランダが15万人だった。
ANAとの共同事業
オーストリア航空は、独ルフトハンザグループに属する。今年1月にはグループ内のルフトハンザ ドイツ航空とスイス インターナショナル エアラインズのフルサービス航空会社3社が経営統合され、路線計画や航空券の価格設定、マーケティング、新製品開発などが一本化された。
昨年10月に来日したルフトハンザのカール・ウルリッヒ・ガーナートCEO(最高経営責任者)は、「3社が同じ傘下に収まることで、迅速な意思決定が可能になる。機材面やそのほかの交渉で優位に進めることができる」と、経営統合のメリットを強調した。
オーストリア航空の長距離路線用機材は、777-200ERが5機のほか、767-300ERが6機。767-300ERの座席数は214席仕様(ビジネス36席、エコノミー178席)が4機、225席仕様(ビジネス26席、エコノミー199席)が2機となっている。
ルフトハンザグループは、2012年4月から日本と欧州での共同事業(JV)を開始。2013年4月からスイス インターナショナルエアラインズとともにオーストリア航空もJVに加わった。これに伴い、グループ3社の日本支社を終結し、ANAを加えた4社統一運賃など、日本市場での営業を強化した。
フランクフルト・ミュンヘン経由が主力
オーストリア航空の日本撤退が決まった今、日本からオーストリアへの直行便は9月に消滅する。ウィーン-成田線の運休後、どのようなルートがあるのだろうか。
同路線運休後は、羽田へシフトしたANAとルフトハンザのドイツ路線を利用するのが、日本からウィーンへ向かうルートの主力になる。首都圏では、ANAが羽田からフランクフルトへ1日2便、ミュンヘンへ1日1便、成田からデュッセルドルフへ1日1往復運航。ルフトハンザも、羽田と成田からフランクフルトへ1日1便ずつ、羽田からミュンヘンへ1日1便運航している。
これらの路線を利用した場合、羽田からミュンヘン経由は、羽田を午後0時30分に出発するNH217便でミュンヘンに午後5時20分着。ミュンヘンからは午後6時40分発のルフトハンザ・シティライン便でウィーンへ午後7時40分に到着する。総所要時間は14時間10分。
羽田からフランクフルトを経由するルートは、羽田を午前11時30分発のNH223便でフランクフルトへ午後4時40分着。ウィーンへは午後5時50分発のオーストリア航空で向かい、午後7時20分に到着する。総所要時間は14時間50分となる。
運休する成田-ウィーン直行便は12時間で到着するので、2時間から3時間程度余分にかかるようになる。ANA便からの乗継便はいずれも同じ航空連合「スターアライアンス」の加盟社であり、JVパートナーなので荷物の預け直しは生じず、時間をあけずに接続しているが、ドイツまで長距離便に乗った後、1時間程度の路線に乗ることになる。