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「eアクスル」生産も…ブラザー、小型MCに歯車加工機能

「eアクスル」生産も…ブラザー、小型MCに歯車加工機能

スピーディオのホブ加工

ブラザー工業は歯車加工用の工作機械市場に進出する。主軸30番テーパの小型マシニングセンター(MC)「スピーディオ」シリーズにスカイビング加工やホブ加工といった歯車加工機能を持たせ、歯車製造の需要を開拓する。従来から対応するマシニングと旋削の複合加工に歯車加工も加わり、3台分の加工が1台で可能になる。9日に米シカゴ市で開幕する国際製造技術展(IMTS)で初披露した後、今秋をめどに受注を始める。

スピーディオの複合加工機「Mシリーズ」のオプション機能として展開する。小型から中型の部品加工に適する30番MCで歯車加工をするのは珍しい。

主軸と旋削主軸を指令した回転比率で同期回転することでスカイビング加工やホブ加工を実現。主軸に対する旋削主軸の位相角度を補正する機能も備え、ヘリカルギア加工も可能にした。

30番MCのスピーディオはアルミニウムのような軟らかい材料を高速加工するのが得意。近年は剛性を向上させて鉄の重切削加工も容易にしたり、同時5軸加工もできる機種もそろえたりして、用途拡大にも注力している。アルミ利用が多い電気自動車(EV)向けのニーズを取り込んでいる中、歯車加工機能で電動駆動装置「eアクスル」の生産への利用も期待できる。

ブラザー工業の工作機械事業の2024年4―6月期売上高は前年同期比1・3%減の101億円。同事業の25年3月期売上高は前期比74・6%増の752億円の目標を掲げる。

日刊工業新聞 2024年09月05日

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