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専修大学が大学院に「ジャーナリズム学専攻」を設置する狙い

専修大学は2025年度、大学院文学研究科にジャーナリズム学専攻を設置する。同大文学部ジャーナリズム学科の卒業生や社会人などを意識した修士課程だ。広義のジャーナリズムとして情報文化を担うアーカイブと、メディアやデータ情報と関係の深いスポーツインテリジェンス(知識)も、研究領域として手がけていく。

専修大学のジャーナリズム学科卒業生の就職先は、半分超が映像プロダクションや広告・ITのデジタルマーケティングなどメディア系で、2割ほどが新聞や放送だ。デジタル時代の日本における広義のジャーナリズム教育・研究を深めるため、大学院の専攻科を1学年定員5人で生田キャンパス(川崎市多摩区)に置き、14人の専任教員と客員教授で指導する。

同大は約60年前からマスコミ・ジャーナリズム講座を持つ。学部・学科名称に新聞を冠する大学が多かったが、19年に日本で初めてジャーナリズムの名を使った学科を、改組により立ち上げている。

日刊工業新聞 2024年08月01日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
「ジャーナリズムとは新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどで時事的テーマの報道や解説をする活動」というのが通常の定義でしょうか。大学の教育・研究では社会学部や文学部、法学部などさまざまなところに入っています。以前は社会における新聞マスメディアの力が強かったものです。上智大学の新聞学科がもっとも古く、東京大学新聞研究所(その後、社会情報研究所を経て情報学環)は浜田元総長の出身部局で、花盛りだったようです。対して「ジャーナリズムの名を冠した学部学科は、2019年の専修大文学部ジャーナリズム学科が初めて」と聞いて、意外に思いました。ちなみに同大卒業生の就職先はジャーナリストが2割ほど。メディア系が半分ほどで、これは映像プロダクションや、デジタル・ITのデジタルマーケティングまで含むそうです。私は今回、案内を見て「ジャーナリズムって昔は、上から目線だけどかっこいい感じ、だけど今は凋落の一途という中で……?」と気になって、会見に出席。そこで、ジャーナリズムといっても多様なメディア関連に広げて、言葉を使っていると知りました。

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