ロボット×コンベヤー融合…メイキコウが開発、海上コンテナ自動荷役装置の仕組み
メイキコウ(愛知県豊明市、保賀誠一郎社長)は、ドライコンテナから全自動で積み荷を降ろす装置を開発した。前後に走行可能なロボットと直交伸縮コンベヤーを組み合わせた。画像処理技術でコンテナ内の積み荷を識別し、ロボットが無人で荷物を降ろす。厳しい労働環境にある海上コンテナの荷役現場の自動化を実現する。9月17日に発売予定で、価格は今後詰める。
新開発の「オートマチックデバンダ」は、クローラー式の走行機能を持つハンドリングロボットがコンテナ内に進入し、画像処理技術で積み荷を認識して自動で荷降ろしをする。
独自開発のロボットハンドはエア吸着式で荷物を把持。荷物を受けるためにロボットにベルトコンベヤーを付属させ、ロボットの動きに追従させることで、ロボットの動きを減らして作業時間を短縮した。同コンベヤーは直角に曲がってロボット後方のコンテナ外に荷物を降ろす。
付属の直交するコンベヤーは長さが計8・5―15メートルの間で伸縮し、40フィートコンテナにも対応。荷降ろし後に、さらに荷物を運ぶ搬送用コンベヤーもメイキコウが必要に応じて設計・製作を請け負い、荷降ろしから搬送までの一連の自動化も可能だ。
輸入品を積み込んだコンテナはパレットを使わず、荷物を直接床に積み付けるバラ積みが主流で、荷降ろしは人手でまかなっているのが現状。
新東工業の子会社でマテハン機器の製造販売をするメイキコウは、この合理化手段として半自動化の装置などを提供してきた。全自動の新装置を加え、荷役の効率化をさらに後押しする。
新装置は9月10日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕する「国際総合物流展2024」に出展する。そこでの市場調査を経て、価格や販売目標を明確にする予定だ。
日刊工業新聞 2024年08月20日