協業パートナーへの応募220件、NTTの大規模言語モデル「ツヅミ」が評価されている理由
NTTの大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi(ツヅミ)」を用いたサービスや人工知能(AI)モデルの開発で協業する「ツヅミパートナープログラム」への応募が220件に達したことが分かった。日本語処理性能が高い軽量モデルのツヅミは、専用のITインフラを社内だけに構築した閉じた環境内で利用可能。社内データを安全に扱いながら生成AIを利用できる点が評価されている。企業向けの小型LLMとして普及が進みそうだ。
ツヅミパートナープログラムは、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)が5月末に参加企業の募集を始めた。これまでに参加の意思を示した220件のうち約130件が、ツヅミを自社サービスに組み込みたい企業を対象とした「ソリューションパートナー」に応募した。参加企業は自社サービスにツヅミを組み込む際にNTTコムの支援を受けられる。
残る約90件は、特定の業界や業務に特化したAIモデルの調整に必要なデータを提供可能な企業向けの「モデルパートナー」への参加を希望している。参加企業はNTTコムとともに特定業界・業務特化型ツヅミを構築。共同でマーケティングや拡販を行う。業界は金融と自治体、業務は小売りや観光などの接客、医師や薬剤師など資格が必要な業務への支援を第1弾の募集における注力テーマにした。
9月には、ツヅミを利用したソリューションの提案から構築までを担う企業を対象にした「インテグレーションパートナー」の募集を始める。ツヅミの検証環境や調整に必要な設備の提供をNTTコムから受けられる。パートナー企業からは提案や構築に関する支援を得られる。
NTTは3月末にツヅミを商用化。650以上の企業・団体から導入相談を受けている。
7月にはNTTコムがツヅミを用いた次世代コンタクトセンター(電話対応部門)や生成AIソリューションの開発でトランスコスモスとの協業を発表していた。