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日本郵船・商船三井・川崎汽船…海運3社の4ー6月期、全社が大幅経常増益の理由

日本郵船・商船三井・川崎汽船…海運3社の4ー6月期、全社が大幅経常増益の理由

写真はイメージ

海運大手3社の2024年4―6月期連結決算が5日出そろい、全社が前年同期比20%以上の大幅経常増益となった。堅調な荷動きの中で紅海・スエズ運河を通航できない状況が長期化したことで、3社の共同出資会社によるコンテナ船事業を中心に船腹需給がタイトになったため。円安も収益を後押し、各社の業績は大きく上振れて着地した。

日本郵船が同日発表した24年4―6月期連結決算は、経常利益が同40・7%増の1257億円となった。紅海の通航止めが長期化し、スケジュールの乱れや港湾での船舶の滞留などの影響は徐々に大きくなっていった。「後から後からボディーブローのように効き、需給はタイトになった」(曽我貴也日本郵船社長)という。

3社とも、紅海情勢の悪化を受けたコンテナ船事業の高市況に加え、自動車船などが堅調に推移。商船三井は経常利益が同20・2%増、川崎汽船は同58・6%増と、いずれも大幅増益となった。

この状況を受け、全社が25年3月期業績予想の売上高と各段階利益を上方修正した。コンテナ船事業は紅海の通航止めが年末まで続く前提の下、7―9月をピークに船腹需給は緩和に向かうが、期初予想より高水準の運賃市況を予想する。日本郵船は、ANAホールディングス(HD)への日本貨物航空(NCA)の株式売却の延期に伴い9カ月分の収益を予想に上乗せした。

足元では急速な円高と株価下落が起き、「非常に読みづらい」(曽我社長)とし、先行き不透明さは増している。


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日刊工業新聞 2024年08月06日

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