セブン&アイの鈴木会長。創業家を名指した異例のゴタゴタ人事会見
<追記あり>コーポレートガバナンス不在と言われても仕方がない
セブン&アイ・ホールディングス(HD)の鈴木敏文会長は突然の引退表明のなかで、社内における人事を巡るゴタゴタについて「私の不徳の致すところ」と吐露。コンビニエンスストアを流通業の主役に押し上げ、セブン&アイHDを最強の流通グループに育てた功労者も、自らが主導してきた長期政権に限界を感じ、今が引き際と判断したのかもしれない。
鈴木会長はセブン―イレブンの商品開発も最終決済も行っていたように、自身に依存する組織を自ら作り上げたといえなくない。これまではそれもうまく回っていたといえる。鈴木会長は会見で、セブン―イレブンの井阪社長がいったんは受け入れた社長交代の人事案に対し、「私はこれもやった」などと功績を並べ、受けられないとしてきたという。
米投資家のダニエル・ローブ氏が率いる米投資ファンドのサード・ポイントが、今回の人事を巡り書簡を送り、世襲に対する懸念を示すといった外部要因も加わった。
「経営は鈴木(会長)に任せている」といっていた伊藤雅俊名誉会長も、今回のセブン―イレブンのトップ人事は反対に回るなど、従来のような関係ではなくなっていた。
伊藤名誉会長を含めた創業家はセブン&アイHD株式の約10%を保有する大株主だが、鈴木会長は「経営に大きく影響するようではない」とし、「(今回の人事は)伊藤家の意向もあった」と明かした。「伊藤家とは今まで良好な関係だったが、ここに来て急きょ変わった。世代が変わった」と、環境の激変に思いを馳せた。
鈴木会長はセブン―イレブンの商品開発も最終決済も行っていたように、自身に依存する組織を自ら作り上げたといえなくない。これまではそれもうまく回っていたといえる。鈴木会長は会見で、セブン―イレブンの井阪社長がいったんは受け入れた社長交代の人事案に対し、「私はこれもやった」などと功績を並べ、受けられないとしてきたという。
米投資家のダニエル・ローブ氏が率いる米投資ファンドのサード・ポイントが、今回の人事を巡り書簡を送り、世襲に対する懸念を示すといった外部要因も加わった。
「経営は鈴木(会長)に任せている」といっていた伊藤雅俊名誉会長も、今回のセブン―イレブンのトップ人事は反対に回るなど、従来のような関係ではなくなっていた。
伊藤名誉会長を含めた創業家はセブン&アイHD株式の約10%を保有する大株主だが、鈴木会長は「経営に大きく影響するようではない」とし、「(今回の人事は)伊藤家の意向もあった」と明かした。「伊藤家とは今まで良好な関係だったが、ここに来て急きょ変わった。世代が変わった」と、環境の激変に思いを馳せた。
日刊工業新聞2016年4月8日