日産、驚異の「電力」調達改革。関東地方での購入先を7割変更

PPSからの調達増やす。再生可能エネルギーの比率も16%に

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 日産自動車は2015年度末までに主力工場が集積する関東地方のグループ全体と販売会社が使う電力の70%以上の調達方法を変更した。新電力(PPS)からの調達を拡大して電力料金の上昇に対抗する。再生可能エネルギーの比率も16%と国全体の3%(水力除く)を大きく上回る。グループ一括調達で、再生可能エネルギー比率のアップと電力コスト削減を両立した。

 日産は13年4月に横浜市の本社、部品センターなど4拠点でPPSからの電力調達を始めた。

 15年度末までにPPSから購入した電力の供給先を日産の8拠点、日産車体などグループ会社の8拠点、全国の販売会社62社1000店超に広げた。

 電力を大量に使う工場はPPS2社と電力会社両方から供給を受ける。工場はもともと電気料金が安く、通常ならPPSに切り替えてもメリットが出にくい。日産は拠点ごとの電力会社との契約をまとめることで、価格交渉力を高めた。

 販社にはグループのPPSである日産トレーディングが供給している。関東以外の全国の販社、日産やグループの11拠点への供給や外販が増え、電力の仕入れコストを低減できた。

 通常、火力発電所から調達する電力が多いほど価格は安いが、二酸化炭素(CO2)排出は増える。日産はグループ調達によってコストを下げつつ、CO2排出量は日産の国内排出量の2%に当たる年2万3000トン削減した。

日刊工業新聞2016年4月7日エネルギー面

COMMENT

松木喬
編集局第二産業部
編集委員

PPSに切り替えると、電源構成にも関与しやすくなります。日産はCO2排出の少なさを優先し、電力コスト削減にもなる電力をPPSから調達しています。普通ならCO2削減を優先すると再生エネが増えるので価格が高くなり、安さを求めると火力比率が高まるのでCO2が増えます。この矛盾を解決し、CO2とコストの削減を両立させたのが日産の電力調達改革です。

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