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荷待ち時間1時間以内へ…三菱ケミカルG、国内工場で本格調査

荷待ち時間1時間以内へ…三菱ケミカルG、国内工場で本格調査

事業所の荷待ち・荷役時間の調査を本格化(三菱ケミカル東海事業所)

三菱ケミカルグループは国内工場で荷待ち時間などの本格的な調査に乗り出し、荷待ち時間1時間以内などの実現を目指す。調査結果を踏まえ、10月以降をめどに順次改善策を打ち出す考え。国の物流の適正化・生産性向上に関わるガイドラインに則り、出荷オーダーの締め切り前倒しなども進める。化学業界で連携するデジタル化の検討を含め、物流の諸課題への対応を推進する。

傘下の三菱ケミカルの主な国内事業所を対象に、荷待ち時間やトラックドライバーによる付帯作業などの実態調査を開始。定量的な状況の把握を踏まえ、10月をめどに順次課題を明確化し、その課題に合わせた改善策を実施していく考えだ。

国のガイドラインでは、荷主事業者は荷待ち・荷役作業にかかる時間を計2時間以内としている。荷待ち・荷役時間の目標については解釈の課題があるが、1拠点当たりが現実的とみる。荷待ち時間の1時間以内を含めて改善に取り組む。

同ガイドラインで推奨される物流事業者や着荷主の準備に寄与する出荷情報などの事前提供に対し、三菱ケミカルでは今春から出荷オーダー締め切りを1、2日前倒しする取り組みを順次進めている。日数の余裕があれば、輸送トラックの積載率の向上や環境に優しい鉄道輸送へのモーダルシフトにもつながるとみる。

化学業界での連携も推進する。三菱ケミカルグループや三井化学などが事務局を務める「化学品ワーキンググループ(WG)」は、化学メーカーなど約80社が参画。同ガイドラインに則った自主行動計画を策定し、荷待ち・荷役時間の把握などを進めている。

今後、東ソー東レを含めた事務局4社で関東・東海地区においてデジタル技術を活用した共同物流の実証実験も計画しており、最適な共同物流を実現する情報基盤の構築を目指す。

三菱ケミカルは一連の運用面の改善を進めるとともに、デジタル技術の活用による効率化にもつなげる。


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日刊工業新聞 2024年08月01日

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