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本州並みに重たく…北海道の雪、温暖化で変化

北大など予測
本州並みに重たく…北海道の雪、温暖化で変化

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北海道大学の佐藤陽祐准教授と稲津將教授らは気象庁気象研究所と共同で、北海道で降る雪の特徴が将来は温暖化により現在の本州の雪のように変化することを示した。降雪粒子の将来変化の数値シミュレーションに初めて成功した。現在はさらさらとした雪だが、べちゃっとした重たい雪になると考えられる。雪崩の起こりやすさなど雪氷災害のリスク予測や除雪対策、観光業に向けた雪質の将来予測に役立つ。

降雪粒子の成長過程を直接追跡できるモデルを開発。「地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース(d4PDF)」を用いた疑似温暖化実験と組み合わせ、現在と将来の雪の特徴を解析した。

その結果、d4PDFの4度C上昇実験で、北海道の雪が現在の北陸から東北地方日本海側と似た重い雪になる可能性が高いことが示された。これは全球平均温度が産業革命前より4度C上昇した条件で、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書のRCP8・5シナリオにおける2090年前後に相当する。

現在の北海道の雪は大気中の氷粒子が周囲の水蒸気を取り込む昇華成長によるものが大半で、板状や樹枝状などの結晶が形成される。一方、温暖化すると氷粒子に水滴が衝突して大きくなる雲粒捕捉成長が主となり、雲粒付き粒子やあられになる。昇華成長の雪より密度が大きく、きれいな形状にならない。

降雪粒子の特徴は雪の重さや雪質、雪崩発生に密接に関連する。従来のシミュレーションは降雪量や積雪量変化は予測できるが、特徴は分からなかった。

日刊工業新聞 2024年07月31日

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