CO2・電気代20%削減…エアコン止めずに遮熱塗装、キングジムが業務用室外機向けサービス
キングジムは業務用エアコン室外機向けの遮熱塗料塗装サービス事業に進出した。コバヤシ(東京都小平市)と共同で拡販する。エアコンを止めることなく塗装が可能で、導入により二酸化炭素(CO2)排出量や電気代を年間10―20%削減できる。施工はコバヤシが行う。消費税込みの価格は室外機1台当たり約15万円で、エアコン室外機・周辺の床への塗装範囲などによって変動する。工場やオフィスビル、商業施設向けに初年度は50件の導入を目指す。
遮熱塗料塗装サービスは初期投資が比較的安価で導入が簡単であることが特徴。壁や屋根全体の塗装を必要とするサービスが多い中、同サービスはエアコン室外機とその周辺床の塗装、専用ルーバーの設置のみ。キングジムによると室外機向けで同様のサービスは他にないという。
塗装時はエアコンを停止する必要がなく、水性塗料を使用しているためにおいが大幅に抑えられている。効果は13―15年間持続し、室外機1台当たり約15万円の施工費用を数年で回収できる。
専用ルーバーを設置することで夏はひさし代わりになる。冬は霜の付着を抑制し、霜取り運転での余分な電力消費を抑える。
同様のサービスは住宅資材の総合商社であるコバヤシが22年夏ごろに始め、既に100件ほどの導入実績を持つ。キングジムは23年6月に経営企画部に新規事業チームを新設。サステナブルやCO2削減をテーマに新規事業を探索した結果、共同拡販を決めた。異なる客層へのアプローチで導入を広げる。
日刊工業新聞 2024年07月31日