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金属リチウム電池の寿命予測…物材機構とソフトバンク、機械学習モデル開発

物質・材料研究機構(NIMS)のシ・チャンリNIMSジュニア研究員と館山佳尚グループリーダーらは、ソフトバンクと共同で、金属リチウム電池の寿命を予測する機械学習モデルを開発した。48個の電池セルデータを学習させると、予測精度を表す決定係数は0・89となった。金属リチウム電池技術はまだ未成熟で劣化のメカニズムなど未解明な要素が多い。研究初期に指針を示せれば試行錯誤を効率化できる。

金属リチウム負極とニッケル過剰系正極で電池を作り、充放電曲線などのデータを集めた。データから35個の特徴量を抽出して重要度を調べると、放電関連で9個、緩和関連は3個の特徴量が寿命と高い相関を示した。

12個の特徴量の組み合わせ4095通りを評価すると放電5個、緩和1個の特徴量を用いた機械学習モデルが最も精度が高く、決定係数が0・89になった。まだわからない研究対象に対し無理にメカニズムを仮定しなくても性能を高められる。

日刊工業新聞 2024年07月26日

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