中堅企業、5年で820社減の背景
帝国データバンクは中堅企業の5年ごとの推移をまとめた。2024年5月時点の中堅企業は7749社となり、5年前の19年の8569社に比べて820社が減少した。中堅企業に該当しなくなった企業が2187社と、新たに該当した企業の1367社を大きく上回った。理由は減資による対象外れが973社(14―19年比609社増)で最多だった。20年春に新型コロナウイルス禍で経済が収縮し、資本の取り崩しや税制優遇のある中小企業を選ぶ企業が増えたことがうかがえる。
一方、中堅企業から大企業に成長した企業は127社(同13社減)と、コロナ禍でも成長著しい中堅企業があった。14年以降では5年ごとに、1500社前後の中堅企業が入れ替わり、一定の新陳代謝が進んでいる。
同調査は改正産業競争力強化法の定義に基づく「中堅企業」を、企業概要ファイルから抽出して分析した。
また、国内全企業の総売上高(23年以降の最新期売上高)のうち、中堅企業の総売上高(同)を示す「市場占有率」は15・7%と、大企業の21・6%に迫る。
さらに中堅企業の都道府県別の市場占有率は大阪府が22・9%で最多となり、中堅企業の存在感が大きい。2位は山口県の17・5%。同県は大企業が存在せず、中堅企業が地域をけん引している。3位は神奈川県、4位が福井県、5位が東京都だった。
日刊工業新聞 2024年07月19日