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おむつ交換などの臭い、病院内で広がる前に排気します!

清水建設などが制御システム開発。10分程度で人間が気にならない臭気濃度に低下
 清水建設は新コスモス電機と共同で、病室でのおむつ交換や食事などに伴う臭気をいち早く感知し、拡散を防ぐ臭気制御システム「スメルケア」を開発した。臭気分子を高感度に感知する半導体センサーにより、臭気が室内に広がる前に給排気ファンを稼働。5―10分程度換気し、においを抑える。病院や介護施設、ホテルなどでの利用を見込む。

 スメルケアシステムは、半導体センサーを内蔵したボックス型の制御ユニットと給排気ファンなどで構成する。半導体センサーは臭気分子の酸化還元反応を利用して感知。臭気分子を含むガスは、酸化金属でできている半導体センサー表面の酸化イオンに接すると、臭気分子が酸化イオンと結合。半導体表面の電気抵抗値が低下して電気が流れる。

 制御ユニットが電気抵抗値の変化を受け、給排気ファンの制御システムに信号を送信。各病室の天井内に置いた給排気ファンが即時に稼働して換気する。換気能力は、1時間に室内の空気が3回入れ替わる換気量に対し、10分程度で人間が気にならない臭気濃度に低下する。

 費用は天井内に排気チャンバーが設置されている新築の建物で1室当たり約50万円。改修工事の場合は、天井材の一時撤去と復旧費用などが加算される。

 病室では通常、給排気ファンにより常時換気している。ただ、おむつ交換や食事などに伴う臭気には窓を開けて換気しているのが実情という。薬剤処理や臭気を分解する内装材、空気清浄機でも対応できるが、臭気が拡散した後でにおいをとるのは困難だった。
日刊工業新聞2016年4月6日建設
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
小中高などの学校なども独特に臭いがある。

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