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市場頭打ち、新たな収益源探るSOMPO…ライザップと連携の狙い

市場頭打ち、新たな収益源探るSOMPO…ライザップと連携の狙い

説明する奥村SOMPOHD社長(左)と瀬戸健ライザップグループ社長

ウェルビーイング(心身の幸福)を切り口に、顧客に保険以外の価値提供を志向する動きが保険業界で相次いでいる。SOMPOホールディングス(HD)は1日、ライザップグループと連携し、保険や介護、健康増進サービスをデジタル技術で結びつけて顧客に提供すると発表した。住友生命保険は東京大学などと組んでウェルビーイングのエコシステムを構築する。少子化などで保険市場の成長が頭打ちとなる中、各社は幅広いサービスまで手を広げ、収入拡大につなげる戦略だ。

「提携するならライザップしかないと直感的に思った」。1日、都内で会見したSOMPOHDの奥村幹夫社長はこう強調した。

両社はSOMPOPark(ソンポパーク)という損害保険ジャパンが持つ既存の契約者向け情報サイトをプラットフォームに、相互にデータ連携して送客する戦略を描く。

例えば自動車保険で、契約者の中に健康に関心の高い顧客がいた場合、SOMPOひまわり生命保険への加入とライザップの低価格スポーツジム「チョコザップ」の利用を勧める。顧客には定期的な健康診断データの提出を促す。運動を継続し、健診データが改善していれば、生命保険料を割り引くなどのインセンティブを与える案を検討する。

SOMPOの約2500万人の顧客基盤とチョコザップの約120万人の会員データを掛け合わせ、疾病リスクの早期検知や病気の予防プログラムも開発する。

両社の連携が軌道に乗ると、将来的には他社にも協業の輪を広げ、「ウェルビーイングデータプラットフォーム」を構築し、ワンストップで人の幸福につながるサービスを提供する構想だ。

住友生命は5月、キヤノンマーケティングジャパン(MJ)や東京大学などと共同でウェルビーイングに関連したスタートアップの発掘と支援を行う組織「WE AT(ウィーアット)」を立ち上げた。住友生命は、運動をすると保険料が安くなる健康増進型保険「バイタリティー」が主力。今後は健康増進サービスに加え、メンタルヘルスや不妊治療などさまざまなサービスをスマートフォンのアプリケーションでワンストップで提供する方針だ。そのための仲間作りを新組織で行う。

類似するサービスの提供も予想される中で、今後はいかに顧客を自社のウェルビーイングサービスにつなぎとめるかが重要になる。そのためには顧客に訴求力の高い魅力的なインセンティブを開発できるかがカギになりそうだ。

日刊工業新聞 2024年07月02日

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