LIXIL・TOTO…快適・多様バスシステム相次ぎ投入
入浴環境に関するニーズの多様化を受け、メーカー各社がシステムバスルームを相次ぎ投入している。LIXILは浴室内のマグネットアイテムを拡充し、入浴スタイルに合わせて仕様を柔軟に選べるようにした。TOTOは心地よさと上質感の進化をテーマにした新製品を8月21日に発売する。機能性や快適性を追求し、需要を取り込みたい考えだ。(地主豊)
LIXILは一戸建て用シリーズ「リデア」で4月、マンションリフォーム用シリーズ「リノビオV」で6月、収納棚や角度調整式シャワーフック、鏡などのマグネットアイテムの種類を増やした。浴室全体の統一感を意識し、カラーやサイズを拡充。リフォーム後でも柔軟にアイテムの追加や変更が可能になった。留め具がないため取り付けや位置調整が容易で、アイテム本体と周辺が掃除しやすいのも特徴だ。
同社の調査によると浴槽につかるユーザーは約半数、シャワー派は約13%で兼用派も根強く、好みが分かれる。「従来品の多彩なタイプ設定を整理し、一つの部屋として仕様を選んでもらう」(同社)ことで提案の幅を広げる考えだ。
リフォーム需要を獲得し、2025年度の売り上げをリデアは23年度比で10%増、リノビオVは同20%増に伸ばす計画。本体価格は消費税込みでリデアは129万1400円から、リノビオVは133万6500円から。
TOTOはシステムバスルーム「SYNLA(シンラ)」を6年ぶりに全面刷新する。独自のクリーン技術を搭載した浴槽やアイテム、座り心地を追求したカームベンチで、清掃のしやすさや快適性のニーズに対応する。本体価格は消費税込みで147万6000円から。26年度に1万8000台の販売を見込む。
棚表面には特殊処理による水を弾きやすい親水層の効果を施した。スイッチ一つで排水や洗剤吹きつけ、すすぎ、湯張りができる自動浴槽洗浄システム「おそうじ浴槽」を搭載し、快適さと清掃しやすさの両立を図る。
樹脂製のカームベンチは人間工学を応用した設計で、背もたれとの接触面積を増やして背中にかかる圧力を分散。クッション材を入れて丸みのある形状に仕上げ、「従来品になかった柔らかさを実現した」(同社)。カウンターと同様の表面処理で汚れがつきにくくなっている。