全国の携帯基地局の負荷軽減…NTTドコモ、量子基盤開発
NTTドコモは27日、量子コンピューティング基盤を開発し、7月から全国の携帯通信基地局で順次適用すると発表した。利用者の携帯端末の所在を確認するために基地局が発信するページング信号数を削減でき、基地局の負荷軽減や着信集中時の混雑緩和につなげられる。
東海、中国、九州地方の基地局で行った実証ではページング信号を最大約15%削減した。これにより着信集中時に現状比約2割多い端末数を接続できるという。
量子コンピューティング基盤の活用により従来のコンピューターより大規模のデータ処理を可能にする。
具体的には、携帯端末がどの基地局に終話・着信したかを記録した大量のログ(履歴)データを基に、まとめてページング信号を送る基地局のグループ(トラッキングエリア)を最適化する。膨大な基地局の組み合わせの中から、より少ないページング信号数で端末を発見するためのトラッキングエリアを短時間で割り出すことができる。
日刊工業新聞 2024年06月28日