「メディカルASIの世界を作る」(孫正義氏)…ソフトバンクGがAI医療新会社
ソフトバンクグループ(SBG)は27日、遺伝子検査結果や医療データを収集し、人工知能(AI)を活用して治療法を提案するサービスを国内で年内にも始めると発表した。同サービスを米国で展開する米TEMPUS(テンパス)AIと自社がそれぞれ150億円を出資する合弁会社、SB TEMPUS(東京都港区)を8月に設立する。孫正義SBG会長兼社長は「メディカルサイエンスとデータサイエンスを融合してメディカルASI(人工超知能)の世界を作る」と述べた。
病院の各種医療データをテンパスAIが持つ仕組みで匿名化し、統合データとして活用可能にした上でデータベース(DB)化。このDBをAIが解析し、最適な治療案を複数提示する。
病院側は現状の電子カルテなどの医療データをそのまま使いながら新サービスの導入が可能。新会社はDBに集めたビッグデータ(大量データ)を新薬開発向けとして製薬会社などに販売するビジネスモデルとする。まずは、がんゲノム医療中核拠点病院13拠点への導入を目指す。
テンパスAIは米国の約2000の病院で使われている。がん患者のレコード数約770万件、画像約100万件など業界最大規模の医療データを持つ。孫氏は「(テンパスAIが持つ)米国の770万件のがん患者データを日本でもリアルタイムで解析に使えるようになる」とした。
日刊工業新聞 2024年06月28日