ドローンでのり面緑化、東光ホールディングスが開発した新工法の効果
東光ホールディングス(秋田県大館市、伊藤均社長)は、飛行ロボット(ドローン)を活用して道路などののり面を緑化する新工法を開発した。複数のドローンで種子を散布することで、土砂災害によって人が立ち入りにくい斜面でも効率良く緑化施工を行える。土木用緑化資材やドローン関連企業との実証実験を通じて改良を進め、自動種子散布システムとして早期の事業化を目指す。
土砂災害後ののり面は柔らかい土砂などで覆われ2次崩落を起こしやすいため、芝などの種子を織り込んだ植生シートや植生マットを人が貼り付け、養生する作業が行われている。しかし人が容易に入れない危険な環境で行うことも多く、無人化が求められていた。
東光ホールディングスは線状降水帯や台風など、全国各地で豪雨による災害が多発している現状を踏まえ、新工法を開発した。
植生シートなど緑化資材メーカーのロンタイ(大阪府守口市)などと開発した独自の種子カプセルと種子散布器に、複数ドローンを同時運航管理するシステムを組み合わせた。
植生シートやマットではドローンの風にあおられてうまく設置できないケースが考えられるため、種子カプセルをドローンからのり面に打ち込む方式とした。
既にロンタイ、ドローンベンチャーのOKUMA DRONE(福島県大熊町)と共同で、同工法による緑化の実証実験を行った。引き続き実験に取り組み、のり面の養生・修復を安全に効率よく行えるシステムとして製品化を目指す。
日刊工業新聞 2024年6月26日