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「ペロブスカイト発光ダイオード」から近赤外円偏光発生、近畿大が技術を確立した意義

「ペロブスカイト発光ダイオード」から近赤外円偏光発生、近畿大が技術を確立した意義

ペロブスカイト発光ダイオードから発生させた近赤外円偏光

近畿大学の今井喜胤教授と大阪公立大学の八木繁幸教授らの研究グループは「ペロブスカイト発光ダイオード」から近赤外円偏光を発生させる技術を確立した。発光層に半導体材料のペロブスカイト量子ドットを用いたペロブスカイト発光ダイオードに外部から磁力と電圧を加えることで、近赤外領域でらせん状に回転しながら振動する近赤外円偏光を発生させた。光通信やセンサーなどの高機能光学デバイス開発、高度セキュリティー認証技術の実用化、生体透過性の医療分野への応用につながる。

室温で永久磁石による磁場下で、光学不活性なペロブスカイト量子ドットを用いた光学デバイスから高輝度で発生が難しい近赤外円偏光を発生させた。加える磁力の方向を変えると近赤外円偏光の回転方向が反転するのを発見、回転方向を制御できた。

高精度・高感度センサーなどへの応用が見込める。従来の発生手法は輝度が弱く、実用化されていない。

今回の研究成果は磁気応用化学分野の国際学術誌「マグネトケミストリー」のオンライン版に掲載された。

日刊工業新聞 2024年06月24日

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