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日産が中国・常州工場を閉鎖した背景事情

日産自動車は中国江蘇省常州市にある常州工場(写真)を閉鎖した。生産能力は年間約13万台で中国全体の約1割に相当する。中国では現地完成車メーカー(OEM)が新エネルギー車(NEV)で攻勢をかけており日系各社の販売が低迷している。工場閉鎖で能力適正化を図り反転につなげる。

日産は中国自動車大手の東風汽車集団との合弁会社などで中国事業を展開。常州工場を含め中国に8工場あり、生産能力は計約160万台。常州工場は2020年11月に稼働し多目的スポーツ車(SUV)「キャシュカイ」を生産していた。同車種は大連市の工場で生産するほか、従業員約350人は他拠点で再雇用する。

中国市場での競争激化を受け、日産の24年3月期の中国販売台数は前期比16・1%減の79万4000台と低迷。日系各社も苦戦を強いられており、三菱自動車は23年に同市場から撤退し、ホンダも合弁会社での人員削減を計画している。


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日刊工業新聞 2024年06月24日

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