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ミネベア、自動車向け撤退 航空機に集中

航空機用ファスナーの生産能力倍増へ
ミネベア、自動車向け撤退 航空機に集中

航空機用精密組み立て部品

 ミネベアは2016年度中に自動車用締結部品(ファスナー)から撤退し、航空機部品にシフトする。自動車部品を生産する藤沢工場(神奈川県藤沢市)の一部をリニューアルし、航空機部品の増産スペースを確保する。17―18年度にはタイでも量産する計画。世界的な航空機需要の高まりを追い風に、航空機関連の売上高で20年度に現状比2倍程度の700億円を目指す。

 ミネベアのファスナーは航空機向けが大半。航空機に使う球面滑り軸受のロッドエンドで世界トップ級のシェアを誇る。自動車向けは価格競争の激化などで成長が見込めないため、撤退を決めた。

 自動車向けファスナー撤退により藤沢工場内に生じる5000平方メートルほどの空きスペースを活用し、球面滑り軸受にハウジングなどを取り付けた航空機部品を増産する。同部品の主力拠点の軽井沢工場(長野県御代田町)を含めた国内の生産能力は倍増する見込み。

 航空機部品はこれまで球面滑り軸受やファスナーの単品売りが中心だったが、ここ数年は複数部品を組み付けて納入する部品の受注が増えている。一部の量産案件は16年度に立ち上がる見込みだ。タイのロッブリ工場(ロッブリ県)に組み立て部品用の新棟も設ける方針。
日刊工業新聞2016年4月4日付総合1面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
記事によれば自動車向け撤退の理由は「価格競争の激化」。量で勝負しない以上、市場は小さくても利益を稼げる航空機向けで生きるという決断をしたようです。

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