ニュースイッチ

設備投資3年800億円…ホンダ系部品メーカーが獲得狙う案件

エイチワン、北米車フレームなど重点
設備投資3年800億円…ホンダ系部品メーカーが獲得狙う案件

イメージ

エイチワンは2027年3月期までの3カ年の設備投資として、前3カ年比約60%増の800億円程度を計画する。北米など自動車生産が好調な地域で主力事業の自動車フレームなどに重点投資する。主要取引先のホンダをはじめ、完成車メーカー(OEM)各社が電気自動車(EV)関連の量産を見据える中、成長投資で新規案件の獲得につなげる。27年3月期に投下資本利益率(ROIC)7%以上の達成を目指す。

3カ年の投資額のうち、OEM向け部品用金型など専用投資として500億円程度、プレス機や溶接ロボットなどの特定部品以外の汎用投資が300億円程度となる見通し。

足元のEV販売は減速気味だが、ホンダなどOEMが26―27年にかけて北米地域で次世代EV関連の市場投入を計画しており、専用投資を中心に投資を積み増す。北米拠点の拡張や増強などで、既存顧客のホンダに加え、米ゼネラル・モーターズ(GM)やトヨタ自動車、米テスラ向けなど利益率の高い新規案件の獲得も進める。

一方、中国市場では現地OEMなどとの競争が激化し、日系OEMの販売が苦戦している。同市場では投資を抑えるとともに、溶接ラインの統廃合など生産能力を絞る。地域の状況により投資にメリハリを付けていく。

また既存の自動車フレーム以外の精密プレス製品など新規事業に経営資源を集中投下して、経営の多角化や事業構造の転換を図る。

エイチワンは27年3月期に売上高2400億円(24年3月期実績は2327億円)、営業利益160億円(同188億円の営業赤字)、ROIC7%以上を目標とする中期経営計画を策定した。ROICや営業利益を意識した経営に取り組み、生産量の減少で24年3月期まで3期連続の営業赤字の状況からのV字回復を目指す。


【関連記事】 ホンダが新しいクルマ作りで必ず頼りにする機械メーカー

編集部のおすすめ