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数十万台の「エネファーム」IoTでつなぐ

大阪ガス、アマゾンウェブサービス上で基盤構築
 大阪ガスは数十万台規模の家庭用燃料電池を管理できるモノのインターネット(IoT)基盤を構築した。発電や電力使用の状況、保守情報などのビッグデータを収集し、製品改善や新サービスの提供に活用するとみられる。燃料電池で大規模にIoTを活用するのは国内のガス会社では初。IoT基盤の構築からデータ分析までを一貫したソリューションの外販にも乗り出す。

 4月に発売する新型家庭用燃料電池「エネファームタイプS」を対象とする。同製品はインターネット接続に対応しており、家庭内の通信インフラを経由してクラウドと双方向にデータをやりとりする。

 IoT基盤は、初期費用が安価で拡張性が高い米アマゾンのクラウドサービス「アマゾンウェブサービス(AWS)」上で構築した。個人情報の保護に関するセキュリティー対策として、大ガスが個人データにアクセスする際は、専用サーバーでの認証を必要とするなど対策を講じた。

 大ガスは収集したデータをもとに緊急対応を迅速に行うほか、燃料電池の製品改良やサービスの向上に役立てる。また、顧客向けには発電状態の常時監視や発電量の可視化・予測、ガス機器の遠隔操作機能を提供できる。

 大ガスは2017年3月期にエネファームタイプSを1万5000台販売する方針。国の指針では20年に140万台の設置を目指しており、大ガスは20万台の設置目標を立てている。

 IoTソリューションの外販は、大ガス子会社のオージス総研が行う。オージス総研は4月にも、AWS上で手軽にIoT基盤を構築できるサービス「IoTかんたんパック」の提案を始める。製造業向けに、設備の予防保全や品質改善などの課題に対応した複数のテンプレートを用意する。

 さらに大ガスのビッグデータ分析による業務改善部隊「ビジネスアナリシスセンター」とオージス総研の研究所「行動観察研究所」の知見を活用。IoT基盤で得られたデータ分析情報も提供する。
日刊工業新聞2016年3月29日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
エネファーム版スマートメーター。今のところそれ以上でも以下でもない。

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