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初任給「引き上げ」5割超…新卒採用、売り手市場で苦戦続く

東京商工会議所は会員の中堅・中小企業を対象に2025年新卒者の採用動向を調査した。25年新卒者の採用を24年新卒者より「増やす」と答えた企業は28・8%と、「減らす」の1・1%を大きく上回り、人手不足の中で旺盛な採用意欲がある。一方、採用・選考活動の課題(複数回答)を聞くと、「希望者が集まらない」が73・4%で最多となり、「求める人材からの応募がない」が49・6%、「内々定・内定後の辞退が多い」が34・3%と続いた。前年と同様、売り手市場の中で新卒採用に苦労する企業が多い。

25年新卒者の初任給を「引き上げた(引き上げる予定)」と回答した企業は52・2%と5割を超え、このうち3%以上の引き上げ率が37・1%を占めた。

引き上げの理由は「人材を確保するため」が83・2%で最多となり、「物価上昇に対応するため」が51・0%で続いた。

同調査は東商が主催した就職情報交換会に参加した中堅・中小企業を対象にウェブで実施し、274社が回答した。うち従業員301―500人の企業の割合は11・3%、501人以上が20・8%。

日刊工業新聞 2024年06月07日

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